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◆京都・市民放射能測定所第4回会員総会議案 (2016年5月15日)

京都・市民放射能測定所 会員総会へ
2016.5.15 事務局長 佐藤和利

 情勢
 総括案
 方針案
 2016年度 京都測定所 役員

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【情勢】
  1. 放射能汚染の拡大
     福島第一原発事故が起きてから5年以上たちますが、放射能汚染は収束するどころか、深く静かに広がり続けています。
     この5月でも、原発事故で海に放出された放射性セシウムが北太平洋の西部を循環し、日本周辺の海域に戻ってきたことが明らかになりました。(鹿児島県沖が2ベクレル/1立方メートル)また、宇都宮の小学校の給食で使われたタケノコが234ベクレル/kg汚染されていたことも明らかになりました。
     そして昨年12月、当測定所が測った福島県郡山市の土壌から、セシウム137が39500ベクレル/kg、セシウム134が8620ベクレル/kg、検出されています。
     さらに、福島県の県民健康管理調査で子供の小児甲状腺がんが166人に見つかり、大人にも発病が広がっています。心筋梗塞などの突然死も出ています。昨年の3周年のつどいではチェルノブイリ事故の影響が子供たちに深刻な影響を与えていることを学びましたが、日本でも同じことが始まっているのです。

  2. 被害を拡大する政策
     福島県内の除染で出る土や草木などのセシウム汚染物は膨大です。これを「薄めて」「リサイクル」する報告に向かい始めています。情報を知らせず、汚染をばらまく、被曝を拡大する、いま一番注意が必要な動きです。
     環境省「中間貯蔵除染土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」は3月30日、8000Bq/Kg以下の汚染土を、「遮蔽および飛散・流出の防止」を行った上で、全国の公共事業で利用できる方針を決定しました。
     また、福島県の指針では、空間線量が0.5μSvを下回る場所であれば木の伐採ができ、樹皮に含まれる放
     射性物質が1キロ当たり6400Bq以下の場合には出荷が可能とされています。(人工的な建築材料にリサイクル?)
     そして、福島県は事故前は「しいたけ栽培の原木」を、全国一県外に出荷していました。原木の国の基準は1キロ当たり50Bqとなっています。キノコ原木は2015年5月末の統計で、全国で51万本が不足しているとされ、福島県は積極的に出荷していく姿勢です。現在でも原木栽培のしいたけから放射性物質が検出されており、それが全国に広がる懸念があります

  3. 市民の測定所に求められる役割とは?
     なぜ、行政はこのような政策をとるのでしょうか?
     一言でいえば「金もうけ」を市民の安全より優先しているからです。原発事故の避難区域解除や、国道6号線でオリンピックの聖火リレー誘致、原子力規制委のトリチウム海洋放出の動き、原発再稼動、熊本震災があっても川内原発運転続ける、すべてそうです。
     私たちは「危ない」と感じる市民感覚、人権感覚こそ優先されるべきだと考えます。食の安全、働く人の安全、生活する人の安全が第一です。今年は水俣病が公式に発見されてから60年になりますが、その教訓を今こそ生かす時です。
     だからこそ、市民のための測定所を継続し、測り続けることが必要だと考えています。
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【総括案】


  1. 新たな測定所の開設
     昨年は、8月に京都北部・市民放射能測定所『たんぽぽ』さん、11月におうみ市民放射能測定所さんが開所されました。また、京都市左京区の鈴木診療所さんも『健らいと』放射能測定室を開設され、アレルギー症状が出ている患者さんが摂っている食材の放射能測定を手がけられています。
     いずれの測定所(室)も、丹波橋測定室と同じ測定器(ATOMTEX 社・AT1320A)を導入されています。当測定所としても開設準備・技術支援など、応援させていただきました。こうして、測定所がどんどん増えていくことは、うれしい限りです。
     特に京都北部・市民放射能測定所『たんぽぽ』さんの開所は、一昨年11月におこなった『第2 回市民測定所まつりin 綾部』での出会いからはじまりました。綾部市でのまつり開催にむけて何度も綾部市に通い、幼稚園、保育所、病院、労働組合、市民団体、市民ホール、市民センター、公民館、市民活動センターなどを回って協力を要請し、チラシの配布をお願いしました。
     当所の会員さんであった綾部ひまわり共同保育園の職員さんや保護者さんが測定所まつりに参加され、交流できたことが、勉強会の開催、作ろう会の立ち上げにつながり、昨年8月の開所へと結実しました。

  2. 昨年10月の『測定所まつり』開催
     10月12日に呉竹文化センターで開催した『第3回測定所まつり』は、お子さんも含め、約100名の方にご参加いただきました。
     今の国や福島県の方針は、「帰還困難区域(年間50ミリシーベルト以上)」を除く全地域を2017年3月までに解除し、区域外避難者への住宅提供も打ち切るという方向です。まるで放射能が消えてしまったかのようなキャンペーンも強まっています。
     当測定所は、原発事故避難者の方の声に応え、避難者の方とともに歩んできました。だからこそ、測定を通じて放射能汚染が広がっていることを示してきました。このまつりでも、上映や講演会、写真展などを通じて、放射能からの避難・移住の大切さを訴えさせていただきました。

  3. 原発再稼動の動きに対して
     いまは大津地裁の仮処分決定によって停止していますが、高浜原発の再稼動が進められました。当測定所は、二度と原発事故などあってはならないという思いから、再稼動反対・原発廃止の運動に協力しております。
     昨年11月8日に高浜原発の現地で行われたリレーアピールに参加し、その時に付近の土壌を採取し、HSF(ホットスポットファインダー)で線量を測りました。今後も継続して原発を監視していくつもりです。
     ※HSFは、空間線量を測ると同時に、その位置をGPSで地図に落とし、パソコンに記録できる装置です。放射能の汚染地図を作成するのに活用されています。

  4. 勉強会の開催
     放射能汚染・放射能被害への理解を広めるため、当測定所では定期的に勉強会を開催しました。講師の方の多大なご協力に感謝いたします。
     『原発再稼動の政治経済』『福島の子供たちの尿中セシウム』『トリチウム』などのテーマで、毎回好評をいただいています。参加は8名~20数名まで、時には丹波橋測定室が人であふれそうになりましたので、場所を隣の呉竹文化センターに移したりしています。

  5. 無料測定会&見学会の開催
     その一方で、当測定所が岐路に立っているのも事実です。測定依頼も減り、会員も減り続ければ立ち行かなくなってしまう現実的な問題があります。
     何とか測定所に足を運んでいただこうと、3ヶ月に1回、『無料測定会&見学会』を開催しました。2月には、『健らいと』測定室でも開催させていただきました。毎回数検体の測定依頼があり、測定所のことをはじめて知ったという方が参加されたり、会員になっていただいたりと、成果にむすびついています。

  6. 測定所の日常運営
     丹波橋測定室は、測定ソフトをバージョンアップし、500ミリリットル測定(1 時間測定)を正式に導入しました。今までの1リットル測定の半分の検体で測定でき、依頼者の方の負担が少なくなります。それに伴い、丹波橋測定室の予約時間枠を1 時間30分に変更しました。
     三条御前測定依頼所は、保育所さんからの継続した測定依頼をいただいています。
     当測定所の測定スタッフは、増減はありますが、若手スタッフの参加などで運営を維持しています。
     会員のみなさまへは、測定日誌のメール配信、会報の定期的な発行、測定所ブログの更新、測定所ホームページの改善など、情報を伝える努力を続けています。
     3月のバイバイ原発集会などのイベントに参加し、測定所の宣伝と会員募集を続けています。

  7. 各地の測定所との連携
     西日本ネットワークに参加する各測定所とも連携をとりながら、気になる測定結果の検討や、測定技術向上に向けた交流などを行いました。1月11日には、丹波橋測定室でミーティングを開催しました。
     また、去年9月20日には、秋田の測定所『べぐれでねが』さんが丹波橋測定室に来られ、30名の参加で交流しました。

  8. 課題
     測定依頼の減少と会費収入の減少による財政ピンチが最大の問題です。
     昨年度の決算を精査すれば、単年度では約20万円の赤字となってしまいました。これは当測定所の存続にかかわる重大な問題です。
     放射能汚染の実態をつかみ、数値を公表していく取組みを継続していくためにも、当測定所へのご協力を引き続きお願いいたします。


     活動日誌
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【方針案】

  1. 財政基盤を建て直すため、会員拡大と測定依頼の拡大をめざそう!
     測定所のカラーリーフレット5000枚を作成しました。これを使ってあらゆる機会に測定所を宣伝しましょう。会員・サポート会員を200名、測定依頼20検体/月を目標に会員拡大と測定依頼拡大をめざしましょう。

  2. 魅力のある測定所に!会員・一般の方が足を運んでもらえる場所に!
     好評をいただいている測定所主催の学習会、講演会を継続し、会員の獲得と収入増をめざします。
     丹波橋測定室の無料測定会や、左京区『健らいと測定室』さんでの無料測定会・勉強会を2ヶ月に1回をめどに、定期開催します。
     京都測定所の測定データや取組みをまとめた冊子を発行し販売します。
     京都測定所が持っている書籍や映像、新聞切り抜きを、会員の方に活用していただけることを積極的にアピールします。外部からの講師派遣依頼などに積極的に応じ、測定所の取組みを伝えていきます。

  3. 放射能汚染、原発の監視
     高浜原発をはじめ若狭にある原発周辺の土壌の放射能測定や空間線量の測定を継続的に行います。
     ホットスポットファインダーを新規購入するための基金として50万円のカンパをいただきました。さらに100万円を目標にカンパをつのり、早期に購入を実現します。京都測定所のプロジェクトとして、募金キャンペーン、購入後の活用方法を具体化していきます。
     8000Bq/Kg以下の汚染土壌が建築資材としてリサイクルされかねない動きなど、汚染の拡大を密かに進める策略に反対していきます。

  4. 各地の測定所とのネットワーク強化
     市民放射能測定所西日本ネットワークの活動への継続参加と、企画を積極的に担います。6月18日(土)に
    は京都北部測定所『たんぽぽ』さんで無料測定をはじめ楽しい企画を予定されていますが、西日本ネットワーク
    の合宿も計画されていますので、参加をよびかけます。
     みんなのデータサイトに京都測定所の測定結果をアップする取組みが遅れているので、できるだけ早く実現す
    るようにします。

    測定所の運営の強化
     これらの方針を進めていくためには、測定所スタッフの人員拡大と力量アップが必要です。
     新しいスタッフを獲得していくこと、測定だけでなく運営を担えるスタッフを育成すること、経験あるスタッ
    フの役割分担(方針の実行責任)を明確にしていくことをめざします。
     財政基盤の強化のため、測定所の経費や測定手当のあり方などについて、月例ミーティングで検討を続けます。
     ミーティングでの討議内容は、これまで通りメーリングリストとブログでオープンにお伝えするようにします。
【2016年度 京都測定所 役員】

 代表:奥森
 副代表・三条御前測定依頼所 所長:楠本
 副代表:高木
 事務局長:佐藤
 会計:中澤
 総務:中田
 会計監査 神田
 運営スタッフ:神保、速水、藤原、菊池、福島、杉谷、上野、齋藤



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京都市民放射能測定所 連絡先
 〒612-0066 京都市伏見区桃山羽柴長吉中町55-1 コーポ桃山105号室
  tel/Fax:075-622-9870  e-mail:shimin_sokutei@yahoo.co.jp